Spring matter - Tokyo
Hi!
いつでもどこでも思いがけないような新たな才能を開花させていてシャポーです。あなたの日本語の《生徒達》の日本語のレベルは、2年間語学学校に通った私のさびに錆びたイタリア語より上であることは間違いないでしょう。
ところで、私にとって春という季節を一言で言うならば花粉症、この時期は例年自らの遺伝的宿命を呪いつつ、文字通り窓を閉め切って、受難の季節が速やかに我が身より去ることを祈りながら過ごしていましたが、今年は心を入れ替えました。
そう、寒さが緩み花が咲き乱れる美しい季節、こんな受け身な生活はもったいないという事で、2月のインフルエンザ患者が列をなす内科へ駆け込み、点眼薬と抗ヒスタミン剤を処方してもらい、早々に薬漬けの生活に甘んじることにしたのです。え?インフルエンザはこわくないのかって?これまで一度も予防接種をせず、なぜかかかったことがないのです。周りで流行っていてもあまり影響を受けないタイプなのはご存知の通り。いやでも小学生の頃はインフルで病欠している友達がちょっと羨ましかったな。笑
薬漬けの生活は、つまりは抗ヒスタミン剤の副作用の眠気との闘いでもあります。ミーティングで相手を説得している最中や、ランチで蕎麦をすすっている時にいきなり睡魔が現れたらとんでもないことです。そこで、毎日服用する時間を少しずつずらしていき、仕事中に眠気がこない服用時間を見つけ出し、コントロールすることに成功。お医者様からは朝に服用すべしと指導されてはおりますが・・まぁ誤差の範囲です。
抗ヒスタミン剤の恩恵を受けている隙を狙い、憧れの千鳥ヶ淵へ花見へと繰り出しました。その苦難のすえに撮影した一枚がこの写真です。
願わくは花を眺めた後は、余韻に浸りながら好きなブドー酒など美酒を楽しみたいところですが、ブドー酒にヒスタミンが含まれてることを思い出しあえなく断念。ささやかなものであっても、なかなか願いというものは叶わないものですね。
Reiwa -Aix en Provence-
ついに平成が終わってしまいましたね。私は新元号にかなり興味津々だったクチでして、4月1日の元号発表の時には、朝4時に目覚ましをかけて、《令和おじさん》の誕生をリアルタイムで視聴しました。
4月30日、日本では平成の終焉&令和の幕開けで大いに盛り上がったことと思いますが、エクスの日本人コミュニティも例外ではありません。この歴史的な日に何かしようじゃないかということで、「平成令和の会」なるものを開催いたしました。といっても、内容はただ飲み食いするというもの。日仏合わせて10人が集まることになりました。
食べ物は、もっとも食い意地が張っている私が率先して担当しました。日本料理を食べようと言う趣旨で、知人のお寿司屋さんからテイクアウトすることにしました。日本人がやっているお寿司屋さんなので、「焼き鳥&サーモン寿司セット」なんかが出てくる心配はなく、安心して食べられるお寿司屋さんです。色々と考えた末、《上ちらし(29€)》をチョイスしました。本来は、握り寿司のほうが好きなのですが、フランスの握り寿司は握りが強く、おはぎ状態になっていることが多いので、あまり頼むことがありません。外国人が、醤油の中に寿司を米側から投入して米をバラバラにしているシーンをよく見ますが、そういう事態を回避するための配慮なのかもしれません。
さて、こちらがその上チラシです。ネタは、マグロ、サーモン、鯛、いくら、シメサバ、ホタテ、赤貝、タコ、ヒラメ、カニ、イカ、蒸しエビ、甘エビなどなど。当地でこれほどのバリエーションのお刺身が食べられたら御の字です。普段は、魚屋に行っても刺身にできそうな魚はマグロかサーモンくらいしか手に入らないのです。
そんなわけで、日本人にもフランス人にも大変喜んでもらえました。
集金上の便宜のため、1人前を30€きっかりにしようと、メニューにはない《いなり寿司》(1個1€)を作ってもらうことになりました。10人なので「いなり寿司10個」と予約したわけですが、当日お寿司の回収に行ってみると、1パック(3個入り)が10個、計30個がうず高く準備されておりました。お願いして特別に作ってもらったいなり寿司なので「意思表示は10個分しか合致しておらず、20個分は契約不成立であり」などと言うわけにはいかず、全部引きとり、参加者には32€という端数感満載の集金をかけることになった平成最後の1日でした。
Nihongo -Aix en Provence-
最近、フランス人に日本語を教えています。
近所に、言語交流の機会を提供しているカフェがありまして、そこの個性的なファッションのマダムに、《日本語会話セッション》の司会役をやってくれないかと頼まれたのが事の始まりです。この司会役というのは、毎回会話のテーマを提示し、参加者に平等に話を振って、間違いがあれば訂正するといった役どころです。大した事前準備もいらなそうなので、軽い気持ちで引き受けました。
初回、多少緊張しつつカフェに行くと、参加者は2名。《日本に興味を持ったきっかけ》でも質問しようと算段していたのですが、その質問が披露されることはありませんでした。なぜならば、両名とも「こんにちは、●●です」と言えるか言えないかぐらいの生粋のデビュタントだったのです。そんなわけで、急遽、《日本語入門講座》に移行する形になり、現在に至ります。
日本語を教えた経験がないので、各種サイトや教本をみて、自分なりに効率の良さそうな順序で教えていますが、外国人にとって何が難しいのかは案外わからないもの。例えば、数字が数えられれば、《●時●分》はそのちょっとした応用だと思うじゃないですか。これがそうではないらしく、参加者全員が「よじ」「くじ」「しちじ」「ぷん/ふん」のトラップに七転八倒の大混乱。その余波で、単純な「いちじ」や「さんじ」にも難儀する始末でした。さらに《午前・午後》を付け加えた日には、どんなことになったかご想像いただけますね。
そんなこともありながら、そもそもの日本人気とマダムのPR力も相まって、私の日本語講座は案外評判が良く、今では参加者8名に増えました。
今や、私の《生徒たち》は、「私は、朝の9時から10時まで、友達と図書館で本を読みました」級のことが言えるんですよ。2か月にしては、いい成長ぶりだと思いません?
El Vaso de Oro -Barcelona-
ご無沙汰です~。なんやかんやと忙しくて・・・・すみません。
バルセロナの話が途中でしたわね。思い出のフォアグラのバル、行ってきましたよ!
El Vaso de Oroというお店です。
気合満タンで開店から30分後くらいに行きましたが、もう満員でした。何かにつけて「ファンタスティコ!」というおじさんが給仕してくれました。「ビールください」「大・中・小?」「じゃあ中で」「ファンタスティコ!」といった具合です。フォアグラは記憶通りの美味しさで、味覚的には大満足でしたが、《胃にくるなァ》とじじくさい感想がつい漏れてしまいました。ちなみに、「玉ねぎのジャム」だと思っていたものは、玉ねぎのソテーでした。
サーロインステーキにフォアグラがのっかったバージョンもありまして、どうもこれが名物のようです。ファンタスティコおじさんにも、ステーキの方じゃなくていいんだね?と念をおされました。ステーキは不要である旨を伝えても、やはり「ファンタスティコ」と返ってきました。
写真の奥に見えるのは、アーティチョークです。メニューに「アーティチョーク」としかなかったので、茹でたものかとばかり思っていたら、フライでした。これまた胃にきたのは言うまでもありません。これでもハーフサイズなのですが、やはり何人かでいろんな種類をつまむというのが正解ですね。
その後、暴飲暴食がたたり、滞在3日目にお腹を思いっきり壊しました。1日中ベッドから動けず、あれほど夢見たフォアグラのことなど考えただけで気持ち悪いという事態になりました。やはり、1日2食スペイン料理三昧というのは無理ですね。それにひきかえ、毎日食べても胃に来ない日本食ってなんて素晴らしいんだろうと、思いがけない感想に帰着した旅となりました。
A holiday in Kyoto
ところで年末年始はどうしていましたか?フランス風に友達同士で陽気にパーティー🎉?
私は関西で過ごしました。幸い寒さもそこまでではなく、明け方に滋賀県大津の山のほうにある日吉大社まで初詣に出掛けました。まだ夜明けまで数時間あったので星空が美しく、そんななか神職の方の合図と共に始まる能楽師たちによる「翁」の奉納を拝見しました。この時間だけは辺りの人工的な明かりはすべて消灯、松明の炎だけが幻想的に能楽師たちを照らし、謡の声と、舞の足音、装束の衣擦れの音だけが聞こえました。日吉大社では毎年元旦に翁舞が奉納されるそうですが、こうした長い歴史を持つ社寺で拝見する翁は、能楽堂でみる翁とはまた違った良さがあり、機会があれば他にも地域性が高い能楽を拝見したいと思いました。
京都では以前話したかもしれない町家を再利用したお気に入りの定宿でのんびり過ごしました。
この宿ならではの楽しみの1つである朝食(700円)は毎回美味しく、土鍋で炊いた白米、豆腐や漬物など土地の食材を使いつつ、食器にも細かな心配りがなされており、女将の高い手腕に感心することしきりです。
その後は京都の街をぶらぶらと。元旦の観光は空いていてオススメですよ。いつもは混雑している東山あたりのお寺さんや庭園なんかゆ〜くり拝観できます。
I’ve always dreamed of going there! - Hong Kong
Nei hou!
バロセロナにいるんだって!?良いですね。
思い出の味を探し当てたとのこと、おめでとう🍾
昔から記憶力とカンが良いから、バルを探すのは実は朝飯前だったのではないかな?
フォアグラと聞くと、昔フランス人の友人達と公現祭のお祝いで、たらふくフォアグラとシャンパンを頂いた事を思い出します。年末に彼等がお国に帰国した折、自慢のフォアグラととっておきのシャンパンをお土産に持って帰ってきて、それらを皆んなで楽しむのよ。思い出すだけでうっとり〜笑
さてさて、当方は12月は商用で香港へ。現地の同僚が、気を遣ってランチに招待してくれました。そのお店が、何と!私がずっと昔から行きたいと熱望していた老舗の飲茶を出す茶室だったのです。その昔たしか学生の頃、旅行雑誌の記事でこのお店を知って、いつか香港で時間がある時に行きたいと思って、切り抜いて大切に持っていたのよ。
1933年創業の香港でも一番古いと言われている老舗の茶室で、建物内部はクラシカルなコロニアル風、丁度昼時でローカル客と観光客で席は埋まり、各々思いも思いの飲茶を楽しんでいました。個人的にはメニューが中国語しかなく、紙に鉛筆で欲しい品の下に印をつけて店員に渡す、という昔ながらの飲茶のオーダー方法が続いている様が何とも好ましく見えました。いかに観光客が押し寄せてもあっさり他のレストランのように英語メニューを置いたりしないのですね。
あ、ひとつ大事なことを言っておくね。 将来、商用ランチで飲茶屋に行った場合、決してお腹いっぱい食べてはいけません。午後にビジネス相手ではなく睡魔と戦う羽目になるでしょうから。
Mille-feuille - Paris
とてもとてもご無沙汰していてごめんなさい。
去年の11月からコンスタントに旅行(私用も商用も)が続いていて、アップしようと思いつつ先延ばししてしまいました。
11月のパリは、もともとはルイヴィトン財団主催のポリーニのコンサートに行くために計画していたのだけど、直前にポリーニの怪我のためキャンセルの連絡が主催者側からありました。とても残念だったけど、航空券もホテルも手配済みだったので、気を取り直し、旅行はそのまま決行することにして、久しぶりのパリを堪能しました。(多分9年ぶりくらいかな)
私が歴史的建造物に目がないことはすでにご存知だと思うけど、パリでは1200年頃フランス王フィリップ・オーギュストが建設させた市壁が一部、現代的に再利用されているのを知っていますか?
フィリップ・オーギュストは第三回十字軍への参戦を決め、長期にわたり不在となるパリの防御を固める為、王は堅牢な市壁の建設を命じました。市壁の高さはおおよそ8メートル、更に市壁には見張りの為の塔が60メートルおきに設けられました。この写真は超おしゃれなショコラティエのカフェの内部です。かつての見張り塔の側面を慎重に保護しつつ、丁寧にライトアップし、現代的にカフェの内部のしつらいとして繊細に取り込んでいます。歴史的建造物を、現代の社会から切り離して単に冷凍保存のように保護するのではなく、現代的な文脈で再利用している点が素晴らしいと思いました。時を重ねることができる都市は豊かだと思うし、そういう都市で生活を送る人の時間もまた豊かであると感じました。これはまた別の機会にrevisitさせてね。
イチゴのミルフィーユ、食べたいな。銀座のマキシムドパリはもう閉店しちゃったしな。